女性管理職が増えない本当の理由は「数字」でも「やる気」でもなく、ただの「経験不足」かもしれない。

学校の先生って、生徒に「黒板係」とか「掲示係」とか役割を振りますよね。そして、その役割を頑張ってくれていたら、生徒の良いところを評価してくれるし、その子の個性が、周囲の子に伝わっていくんですよね。

次女は、学校の先生にとても育ててもらいました。認めてもらいたいから頑張ろうとするモチベーションの強さと、誰かの世話をしたがる性分を、まずは先生がとても認めてくれて、学級委員などの役割を抜擢してくれました。そこから本人の自信はグングン育ち、挑戦する意欲が言葉になりだしました。これって、「女性の管理職を増やす」というテーマにも結構関係することだと思うんです。

次女の場合、1年生の頃は、友達を作るのがとても苦手でした。保育園の頃のように、自分のペースに合わせてくれる子が周りにいませんでした。相手のペースに合わせることに慣れていなかった娘は、どうすればいいのかわからなかったんでしょう。

「ママ、どうやったら友達ができるの?」

「そうだなぁ……まずは、『友達になろうよ!』って誘ってみるのはどうかな?」

「そっか!やってみる!」

みたいな会話があったことはとても印象的で覚えています。

そこからのスタートでした。

そんな試行錯誤が2年続き、3年の担任の先生が、次女を「すごい!」とひたすら認めてくれました。いつも褒めていたわけではなかったと思います。厳しい先生で有名でした。でも、役割を頑張って全うした時や、誰かのために動けた時に、本人の顔がふにゃっとほころんでしまうほど、大絶賛してくれたようです。

今、次女は4年生ですが、今の担任の先生も同じように抜擢してくれる先生なので、体育会の実行委員や、学級委員など、次女は挑戦を自主的にしているようです。

男性だろうと、女性だろうと、そうやって素質を見出して、第三者に認めてもらえる機会があるだけで、本当に化けますね。ただ、簡単なことではありません。先生側も、粘り強く見守り、違う方向に行った時には声をかけ、自分で考えさせ、ようやく「大絶賛」というステージに連れて行ってあげることができたのでしょう。先生の忍耐あってこそです。

職場の管理職になることも、教室の学級委員になるようなものではないでしょうか。

管理職も、学級委員も、おおまかに求められることは、あるグループをまとめることであり、リーダーシップをとることです。それって、別に男性でも女性でも、素質さえあればできそうだと思いませんか?学級委員だと、男性でも女性でも抜擢されたらいいよね、とおおよその人は思いそうです。

ではなぜ、「管理職」というポジションとなると、女性が少ないのか。その理由は、管理職に必要な素質と、昇進に必要な素質が違ったからではないかと、私は考えています。

管理職に必要な素質だと
・調整力
・傾聴力
・空気を読む力
・翻訳力
・信頼構築力
などがありますが、このあたりは女性でも得意な方が多そうです。

しかし、昇進に必要な素質として
・数字管理
・報告資料作成
・会議運営
・プレゼン
・予算管理
といった、数字が絡むところや、厳しい場面で戦う力に関しては、女性は不慣れであったり、苦手な方も多い。

一昔前(あるいは今も)では、これに加えて、「人付き合い」という要素が大きく、3次会、4次会まで飲みに行けるかどうかや、煙草を一緒に吸いにいけるかどうかも素質として勘定に入れられていたと思います。そこまで付き合いを良くできる女性は、環境的にも性質的にも少なかったでしょう。

この、昇進時に評価されてきた項目に関して、女性がもっと「慣れる」機会があったなら、管理職への抵抗感はここまで大きくならなかったはずです。

「女性活躍を叫ばれる現代に、女性が本当に求めている活躍って何だろう?」を研究するための任意団体、「倉女(女性活躍推進研究会)」の活動を通じて感じるのは、女性たちのすさまじい熱量です。

倉女のInstagram▼
https://www.instagram.com/kurajyoo

銀行員の方が交流会イベントを見に来てくれた時、「皆さんの目がキラキラしていて、熱量に驚きました」と仰るほど、自己実現へのパワーに溢れています。

画像
いつぞやの交流会イベントの様子

そんな熱量ある彼女たちでさえ、自分の可能性を「身の丈」に閉じ込めてしまうこともあります。
「ビジネス的な数字は苦手だから」
「稼ぎたいわけじゃないから」
彼女たちは、名刺交換や領収書の処理、数字の管理といった動作に「慣れていない」だけなのに、それを「自分には向いていない」と変換して諦めてしまうのです。私はここに、猛烈なもどかしさを感じます。ただ経験が不足しているだけ。数回やれば、誰だって当たり前にできるようになることなのです。

だからこそ、今、組織にはもっと「抜擢」が必要です。
女性は、相手の喜びを優先するあまり、自分の貢献を数値化する意識が薄い傾向にあるかもしれません。しかし、その「数値化しづらい見えない力」こそが、今の時代に社内外で求められている信頼の源泉です。

「女性に下駄を履かせる(優遇する)」という議論がありますが、私はそうは思いません。抜擢とは、本人がまだ気づいていない「慣れればできる素質」を信じて、打席に立たせることです。

そして、役割を全うした時には、娘の先生がしてくれたように「大絶賛」するステージを用意してください。その成功体験という「慣れ」の積み重ねが、男性も女性も関係なく、組織を支える本物のリーダーを育てていくのだと思います。

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