【執筆実績】名簿が「揺れる」本当の理由〜人事システムと健康管理システムの「分断」が現場にともたらすコスト〜

みなさん、こんにちは。健康経営エキスパートアドバイザーの奥野です。
今日は、新しく公開された執筆実績のご報告です!
大手のシステム会社様よりご依頼をいただき、企業の健康管理担当者さんが必ずといっていいほど直面する「名簿が『揺れる』問題」についてのコラムを執筆いたしました。
健診の対象者を抽出しようとしたら退職者が残っていたり、異動したはずの人が古い所属のままだったり……。日々、多くの現場を伴走する中で、担当者さんの貴重な時間と判断力が「人事データと健康管理システムの分断」によって奪われている現状を目の当たりにしてきました。
そこで今回は、「担当者の工夫でどう乗り越えるか」だけでなく、そもそもなぜその負担が生まれ続けてしまうのかという「構造的な問題の根っこ」について、専門家の視点から正直にお伝えしています。
また、コラム内では、現場の熱い想いと工夫で「健診・二次受診率100%」を達成された岡山市の「株式会社智商ロジシステム」さまの素晴らしい実例もご紹介させていただきました。
アイテック阪神阪急様のサイトこちらにも掲載されておりますが、私のHPでも全文を公開いたします。日々の名簿突合に追われ、「もっと社員一人ひとりのケアに時間を使いたい」と感じている人事・健康管理担当者のみなさま、ぜひご一読ください。
▼本文
こんにちは。看護師・保健師として現場経験を積み、現在は健康経営エキスパートアドバイザーとして、企業の健康管理業務(健診、ストレスチェック、面談、二次受診勧奨、復職支援など)を伴走している立場からお話しします。
企業の健康管理担当者さんとお話しすると、必ずといっていいほど出てくる悩みがあります。
「名簿の管理が大変で……」
健診の対象者を抽出しようとしたら退職者が残っていた。
異動したはずの人が旧所属のままになっていた。
夜勤の人に案内が届いていなかった。
ストレスチェックの結果が別の人に紐づきそうになった。
こうした「名簿が揺れる」状態は、担当者さんの注意や努力が足りないから起きているのではありません。構造的に難しい条件が重なっている場合がほとんどです。異動が多い、出向・派遣・委託などが混在する、非常勤や短時間勤務がいる、夜勤・交替制・シフトで勤務形態が複雑、多拠点で管理が分散している。大企業、製造業、運送業、大学など、そういう組織では特に起きやすい。
ただ、現場をまわるうちに私はあることに気づきました。名簿が揺れる理由は、組織の複雑さだけではない。もっと根っこに、見えにくい構造的な問題があると。
今回はそこを正直にお伝えしたいと思います。「担当者の工夫でどう乗り越えるか」だけでなく、「なぜそもそも乗り越え続けなければならないのか」という話まで含めて。
1. 表層の問題:組織の複雑さが名簿を揺らす
まず、現場で実際によく起きていることを整理します。
異動が多い組織では、名簿の所属情報がすぐに古くなります。出向・派遣・委託が混在する組織では、「誰の健診を誰が管理すべきか」という責任の境界が曖昧になる。非常勤や短時間勤務が多い職場では、学内メールが届かない人や連絡先が把握しにくい人が生まれます。夜勤・交替制のある現場では、案内を送っても日中に確認してもらえないことが多い。
これらは、担当者さんが工夫と根性で何とかしようとしている領域です。正の名簿を一つ決める、確定日を設ける、例外のルールを先に決めておく——そういった仕組みづくりで、ある程度は改善できます。
でも、もう一歩深いところに、担当者の工夫だけでは届かない壁があります。
