奥野が考える、健康と仕事がリンクする理由
会社が社員の健康まで管理するって、必要なの?
「人を雇っている上で、社員は大切にしている!」 という経営者様であっても、私がサービスを提案した時に聞かれた声として 「健康指導は意味がないから受けさせてないし、特に今のところ健康について社内で何かしようと思ってないよ」 という声や、 「売上上げないと、そんなところまで手が回らない」 といったお声を頂戴します。
その通りですよね。 社員の健康まで意識する余裕がないかもしれません。 自分が社員を雇っていたらと想像すると、売上管理、人員補充、販路開拓… 他の事で手一杯になっていることでしょう。 個人のことだから、声をかけても反応が少ないし、やっても意味ないんじゃないかというお声もあったりします。
でも、だからこそ、そこばかり見ていることに警鐘をならしたいのです。
労災請求によくある内容と、安全配慮義務について
厚生労働省の「過労死等の労災補償状況」によると、仕事が主な原因で心筋梗塞や脳梗塞などの「脳・心疾患」を発症したとする労災請求件数が年間700~900件あたりで推移しており、2016年ではそのうちの107件が死亡に至っています。
仕事が主な原因の「精神障害」の労災請求件数も年々増加しており、2016年の労災請求は1586件、そのうち自殺・自殺未遂数は84件です。
色々な労災のパターンはありますが、特に「脳・心疾患」系と「精神障害」系が仕事が原因と判断されやすい状態にあり、そのための対処が甘いと、安全配慮義務違反という判断が下されかねません。
安全配慮義務とは… 「企業は従業員が常に安全で働きやすい環境で仕事できるよう配慮しなくてはならない」という、労働契約法の第五条に定められている義務のことです。
大企業だけではなく、中小企業にもその義務は課されており、更にその対象は正社員だけではなく、パートやアルバイト、派遣、下請け企業の社員まで派生するため、「何かあったとき対応しよう」ではなく、しくみとして取り入れておくという事が重要になります。
(個人的には、災害BCPなどはよく論議されていますが、もっと発生確率の高い健康障害に対してBCPを作っていない会社が多いのは、結構心配です・・・)
実際に、社員が少ない中小企業で、社員が突発的な脳梗塞で倒れたケースでは、社内に衝撃が走ったそうです。なんとか復帰されるまで回復されて本当によかったですが、欠員が出ている間と、復帰後のフォローも考えると、簡単な概算ですが300万ほどの臨時損失が発生しています。(こうなった場合の費用についてはまた別のコラムで書かせてもらいますね)
更に、こうなったとき、本人が何も言わなくても、家族から訴訟を起こされるケースも想定しておかなくてはならず、せっかく構築した会社のバランスが崩れかねません。
私がここで伝えていきたい事
と、ここまで会社の義務と、何かあったときの損失についてお話しましたが、それ以上に、大切にしてきた社員が仕事できない状態になるのは会社としてもつらいですよね。
健康診断も「受けるだけ」になっていてはもったいないですし、社員のプライベートをより充実して楽しんでもらうことで、仕事も生き生きとできることでしょう。 社員の健康を意識しておくことは、会社にとってプラスにしかなりません。
ここのコラムでは、私の体験エピソードや、実際に今社会でどんな問題が話題になっているのか、自社が健康的な組織風土になるために、どんな点に着目すればいいかなど、皆さんに役立つコラムになるようにしていきます。
組織の人事に関係すること、採用、健康管理、企画運営、ストレスチェック、安全配慮義務、社則、健康経営などのテーマについて、ご質問があるかたは、お気軽にこちらにご連絡ください。 ↓奥野直通の匿名の質問箱です。
※返答に採用する内容は選ばせてもらいます。
奥野自身へのご質問も、お答えできることがあればお答えしますね^^
あまり意地悪な質問はしないでほしいですが…笑
また、見に来てくださると嬉しいです。
読んでくださって、ありがとうございました。